小児矯正
お子様の矯正治療
永久歯に生え変わる前のお子様の場合、矯正治療は、乳歯と永久歯が混合した時期(混合歯列期)に行われる「第1期治療」と、永久歯に生え変わった時期(永久歯列期)に行われる「第2期治療」とに分けられます。
第1期治療では、成長発育を利用して顎の拡大を促したり、抑えたりしながら理想的な骨格に近づけて、自然な歯並びを実現します。
お子様の矯正を始める時期
お子様の矯正を始める時期は、その子の歯並びによっても異なります。
そのため、「何歳から始めなければいけない」ということはなく、お口の成長に応じて適切な時期を見極めることが重要となります。
ただ、1つの目安として8~9歳ごろに始めるのが良いと言えます。
お子様の性格・成長・協力度に応じて開始時期を判断します
矯正専門医がいる当院では、お子様の顎の成長発育を利用して、できるだけ本格的な矯正装置を使わずに自然な歯並びに整えていきます。
その方が、治療後も歯の後戻りが少ないと考えています。
3~8歳までの矯正治療
乳歯が生え揃う3~8歳の間の矯正治療は、お子様にストレスやトラウマを与えたりするリスクがありますので、急いで行う必要はないと考えています。
どうしてもお子様の歯並びが気になる保護者の方は、本当に治療が必要かどうか、矯正専門医の的確な判断を仰ぐことをおすすめします。
8~12歳までの矯正治療
一般的に8歳ごろは乳歯から永久歯に生え変わる時期で、当院ではこの時期を目安に矯正治療を開始することをおすすめしています。
8歳から永久歯が完全に生え揃う12歳までの間であれば、基本的にブラケットやワイヤーなどを用いた本格的な矯正装置を使用しなくても、治療することが可能です。
お友達など、まわりの目が気になる時期のお子様にとって、これは大きな負担軽減になると思います。
12歳以降の矯正治療
永久歯が完全に生え揃う12歳以降は、歯根(歯の根っこ)が顎の骨にしっかりと固定されるため、矯正治療で歯を動かすためには一定以上の時間が必要となります。
治療期間以外にも、12歳以前と以降とでは矯正治療の内容に大きな違いが生じます。
12歳までの矯正治療
- 顎の成長発育を利用して、自然な歯並びにすることができる
- 12歳以降に矯正治療を行うよりも、歯が後戻りする可能性が低い
- 12歳以降に矯正治療を行うよりも費用が抑えられる
12歳以降の矯正治療
- 適切な歯磨きなど、きちんとケアを行ってお口の中を清潔な状態に保てる
- 永久歯が生え揃った後に矯正治療を行うと、痛みが発生する可能性が高い
- 12歳までの矯正治療よりも、治療期間が長引く傾向にある
噛むトレーニング
正しい歯並びで「きちんと噛む」ことの重要性
お子様への矯正治療の目的には、受け口(下顎前突)や出っ歯(上顎前突)などの不正咬合を治すだけでなく、正しい歯並びできちんと噛み、脳の成長を促進させるというものもあります。
しっかりと噛めるようになると、噛む刺激が脳に伝達されて、脳細胞の発育が促進されると言われています。
反対に、しっかり噛めないと噛む回数が減少してしまうため、脳の血流が悪くなり、知能・運動機能などの発育に悪影響がおよぶと言われています。
しっかり噛むための食生活指導
歯には「かじる」「ちぎる」「すり潰す」などの機能がありますが、近年では食環境の変化にともない、一口大の食べやすい大きさの食べ物や、柔らかい食べ物などが増える一方、噛み応えのあるもの、繊維質を豊富に含んだものなどが食卓にのぼることが少なくなっています。
その結果、歯本来の機能を十分に発揮する機会が減ってしまっていると言えます。
「DAY-UP(デイアップ)オーラルガム」
当院では、お子様にしっかりと噛む力をつけてもらうために、ライオン歯科材株式会社から発売されている「DAY-UP(デイアップ)オーラルガム」を使って、噛むトレーニングを行っています。
DAY-UPオーラルガムは、軟食などの影響により歯並びが乱れてしまったお子様の咀嚼力向上を目的としており、普通のガムよりも硬く、適度な噛み応えがあります。
また、ガムが小さくならずに香味が長続きするので、長時間噛み続けることができます。
お子様が進んでトレーニングできるチェックシートも付いているので、保護者の方と一緒に楽しみながら行うことができます。